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開発ストーリー

みんカレを作った理由
——営業の日程調整をなくしたかった

公開:2026年10月1日 / 更新:2026年10月2日 / みんカレ開発責任者 石川 煌大

みんカレは、「便利なカレンダーを作ろう」から始まったサービスではありません。法人営業の現場で何度も繰り返していた日程調整を、できるだけ発生しない仕事に変えたい。その課題から始まりました。

商談が決まる前に、何度もメッセージを往復していた

法人営業では、お客様と打ち合わせをするたびに日程調整が発生します。「来週でしたらいつが空いていますか?」「火曜はどうですか?」「では水曜の午後は?」。LINEやメールで候補日を出し合い、ひとつの予定を決めるだけで何度もやり取りすることがありました。

一件だけなら数分の作業です。でも、同時に複数のお客様と話が進んでいると、その数分が何度も発生します。返信が届くたびにカレンダーを開き、まだ空いているか確認し、別の候補を考え、また返信する。営業として本来時間を使いたい提案や商談の前に、「予定を決める仕事」が積み上がっていました。

しかも、日程調整は一度で終わるとは限りません。お客様側の予定が変わったり、こちらの別案件が先に確定したりすると、最初からやり直しになることがあります。

一番困るのは、候補として出した枠が先に埋まること

複数人と同時に調整していると、「候補として提示した時間」と「実際に空いている時間」がずれていきます。あるお客様へ「木曜15時はいかがですか」と送ったあと、返事を待っている間に別のお客様との予定が同じ時間で確定する。最初のお客様から「15時でお願いします」と返ってきた時には、もうその枠は空いていない。そこからまた謝って別候補を出すことになります。

これは注意力の問題ではなく、候補日を文章で固定して送る仕組みそのものに限界があると感じました。メッセージに書いた候補は送信した瞬間の情報で、その後カレンダーが変わっても自動では更新されません。

気づいたこと:人が「候補日を管理する」のではなく、予約する瞬間のカレンダーを見て選べるようにすれば、ずれを小さくできる。

「空いている時間を送る」のをやめればいい

そこで発想を変えました。こちらが候補日を文章で作って送るのではなく、予約できる時間を見られるURLをひとつ送ればいい。相手はそのURLを開き、その時点で選べる時間から都合のよい枠を選ぶ。予約が入れば、その後の人には同じ枠を出さない。

この方法なら、「今は空いています」と言った後で予定が変わる問題を減らせます。営業側は候補日を毎回作る必要がなく、相手側もメッセージを何往復もせずに選べます。

従来の流れ

カレンダー確認 → 候補を作る → 送る → 返事を待つ → 再確認 → 必要なら再調整。

目指した流れ

予約URLを送る → 相手が空いている時間から選ぶ → 予約状態を確認する。

それが、みんカレの原型です

みんカレが目指しているのは、単に予定を表示するカレンダーではありません。Googleカレンダーと予約受付をつなぎ、相手が自分で日時を選び、予約まで進められるようにすることです。

現在のみんカレでは、予約可能曜日、開始・終了時刻、予約枠の長さ、受付締切、即時確定または確認してから確定といった条件を設定できます。予約URLはLINE、SMS、URLコピーなどで共有できます。

機能を増やすこと自体が目的ではなく、「候補日を考える」「同じ内容を何度も送る」「返事を待って再確認する」という作業を減らすために必要な機能を整える、という考え方で開発しています。

予約する側にもアカウント登録を求めたくなかった

日程調整を楽にするサービスでも、相手に新しいアカウント登録を求めると、そこで新しい手間が生まれます。営業のお客様へ「まずこのサービスに登録してください」とお願いするのは、本来やりたかったことと逆です。

そのため、みんカレの予約ページでは、予約する側はみんカレのアカウントを作らずに日時を選べる形を大切にしています。サービスを使っていることを意識させるより、「URLを開いて、空いている日時を選べば終わる」という体験の方が重要だと考えています。

便利な機能より、日程調整が本当に減ったかを見たい

カレンダーアプリには、追加しようと思えばたくさんの機能を入れられます。分析、複雑な自動化、細かなカスタマイズなど、できることは増やせます。でも、みんカレの原点から考えると、最も大事なのは機能数ではありません。

見るべきなのは、「予約URLを送ったあと、本当に候補日の往復が減ったか」「予約する相手が迷わなかったか」「自分の作業時間を守れたか」です。操作が複雑になって、結局説明が必要になるなら、便利な機能でも目的から外れてしまいます。

そのため、現在も画面や設定を見直しながら、予約を作る側と予約する側の両方で迷う場所を減らす改善を続けています。

営業だけでなく、「人と日時を決める仕事」へ

原点は法人営業ですが、同じ問題はさまざまな仕事にあります。採用面談、個別相談、コンサルティング、オンラインレッスン、制作の打ち合わせなど、相手と日時を決める仕事なら候補日の往復は発生します。

一方で、すべての予定を予約URLにする必要はありません。重要な商談は自分で調整し、新規相談や定例打ち合わせだけ予約URLにする、といった使い分けもできます。みんカレは「全部を自動化する」より、「繰り返している調整だけを仕組みに任せる」道具でありたいと思っています。

実際に使う中で、考え方も変わっていく

サービスを作る側が最初に考えた使い方と、実際の利用者が便利だと感じる使い方は必ずしも同じではありません。受付時間をどう設定するか、手動承認と即時確定をどう使い分けるか、どこから予約URLを共有するか。実際に使われて初めて見えることがあります。

だから、みんカレでは「完成した仕組みを提供する」というより、日程調整の負担を減らすという軸を守りながら改善していくことを重視しています。画面の見直し、予約フローの修正、ガイドの更新も、その一部です。

日程調整を少し便利にするのではなく、できるだけ発生させない

日程調整は、それ自体が売上を生む仕事ではありません。それでも営業や相談業務では確実に時間を使います。一件ごとの負担は小さく見えても、毎週、毎月繰り返すと無視できません。

みんカレで取り戻した時間を、商談、提案、制作、お客様への対応に使えるようにしたい。予約する相手にも、何度も候補日を返信する負担をかけたくない。その両方を減らすために、予約URLとカレンダーをつなぐ仕組みを作っています。

今後も「本当に調整が減ったか」「相手が迷わず予約できたか」を基準に、機能と画面を改善していきます。